カメラを始めようと思って調べてみたら、専門用語が多すぎて余計に不安になってしまった…。
そんな経験、ありませんか?
特に「広角」「標準」「望遠」という言葉。
なんとなく意味はわかるけれど、「結局どれを選べばいいの?」と悩んでいる方も多いはず。
この記事では、カメラをこれから始めようか迷っている方に向けて、レンズ選びの基礎をわかりやすく、丁寧に解説します。
カメラ歴15年の私が、専門知識をかみ砕いて、「実際にどう役立つのか」「なぜこの違いが大切なのか」を本音でお伝えします。
【そもそも】“広角・標準・望遠”とは何か?
まず結論からお伝えすると、これらの言葉はすべて「焦点距離(しょうてんきょり)」による分類です。
焦点距離とは、レンズがどれだけ“広く” or “遠く”を写せるかを示す単位。mm(ミリメートル)で表され、数値によって撮れる写真の印象が大きく変わります。
簡単に言えば:
- 広角レンズ(〜35mmくらい) → 広く写せる。風景や室内向き
- 標準レンズ(35〜70mm) → 肉眼に近い見え方。自然な日常向き
- 望遠レンズ(70mm〜) → 遠くの被写体を大きく写せる。人物やスポーツ向き
この違いを知るだけで、「何をどう撮りたいか」がぐっと明確になります。
【広角レンズ】視界を広げて、空間の広がりを写す
✅ 特徴:
- 焦点距離:おおよそ10〜35mm
- 写る範囲がとても広い
- 近くのものは大きく、遠くのものは小さく写る(遠近感が強調される)
✅ 向いている撮影:
- 風景写真:山、海、空など、広がりを見せたいとき
- 建築物:狭い室内でも全体を収められる
- 旅先の記録:その場所の“空気”を写し込める
✅ 初心者の方へ:
「広く撮れるってことは、失敗しにくいってことでもあります。」
ファインダーをのぞいたとき、「あっ、この景色を全部残したい」と感じた経験があるなら、広角レンズはあなたの味方になります。
【標準レンズ】もっとも“自然”な写真を撮れる万能タイプ
✅ 特徴:
- 焦点距離:35〜70mm前後
- 肉眼に近い視野で写る
- 遠近感や歪みが少なく、バランスがいい
✅ 向いている撮影:
- スナップ写真:日常の何気ない瞬間にぴったり
- ポートレート:背景も含めて人を自然に写したいとき
- 料理やカフェ写真:現実感を損なわず美味しそうに写る
✅ 初心者の方へ:
「どのレンズがいいか分からない…」と思ったら、まずこの標準レンズをおすすめします。
なぜなら、“その場の空気感”を最も自然に写せるから。
日々の記録にも、大切な思い出にも、使いやすい一本です。
【望遠レンズ】遠くのものを、ぐっと引き寄せて切り取る
✅ 特徴:
- 焦点距離:70mm以上、長いものでは300mm以上も
- 遠くの被写体を大きく撮れる
- 背景がよくボケる(=主役が引き立つ)
- 圧縮効果で「奥行きのない」独特の写りになる
✅ 向いている撮影:
- ポートレート:背景をぼかして人物を際立たせたいとき
- スポーツ・運動会:距離があるシーンでも選手の表情まで
- 動物・野鳥:近づけない被写体に対応
✅ 初心者の方へ:
望遠レンズの魅力は、「他の人には撮れない写真が撮れること」。
距離がある=諦める、ではなく、あなたがその一瞬を“自分のもの”にできるという体験は、まさに写真の醍醐味です。
【比較してみよう】どんな写真になるのかイメージしやすく
種類 | 焦点距離の目安 | 写る範囲 | 特徴的な写り方 |
---|---|---|---|
広角 | ~35mm | とても広い | 遠近感が強い・歪みやすい |
標準 | 35~70mm | 自然 | 人間の目に近い視野 |
望遠 | 70mm〜 | 狭い | 背景がボケやすく主役が際立つ |
【あなたに合うのはどれ?】
迷ったときは、以下の質問に答えてみてください:
- 旅行が好き or 景色を撮りたい → 広角レンズ
- 日常や家族を自然に残したい → 標準レンズ
- 表情や一瞬をアップで切り取りたい → 望遠レンズ
どれも正解。どれも間違いではありません。
【商品選びのヒント】初心者におすすめのレンズ3選(用途別)
📸 1本目に最適:Canon RF 50mm F1.8 STM(標準)
- 軽くて小さい
- ボケもきれい
- 価格も抑えめ(撒き餌レンズと呼ばれる理由がわかります)
「最初に買ってよかった」と言われることが非常に多い一本です。
カメラの魅力がぐっと近づきます。
🌄 旅行や風景派に:SIGMA 16mm F1.4 DC DN(広角)
- 広く写るのに、F1.4の明るさで夜景にも強い
- コンパクトで持ち歩きやすい
- 写真に“奥行き”が出て、感動がそのまま残せます
👀 もっと遠くへ:TAMRON 70-180mm F2.8(望遠)
- 軽量設計ながら本格的な望遠ズーム
- 圧倒的なボケと解像感
- 子どもの表情や自然の動物たちも、思いのままに写せる
【まとめ】“焦点距離”が分かれば、写真の見方が変わる
焦点距離の違いを知ることは、カメラの技術的な話以上に、**「あなたが何をどう見たいか」**を知ること。
- 視界の広がりを伝えたいなら広角
- 自然な距離感を保ちたいなら標準
- 遠くの表情や細部を切り取りたいなら望遠
この知識があれば、あなたの写真はもうブレません。
「レンズって、思ったより面白いかも」
そう感じたら、もうあなたはカメラの世界に足を踏み入れています。
迷いも不安も、ひとつひとつ解消して、“撮る楽しさ”を味わっていきましょう。
最初の一本を選ぶお手伝いができたなら、これほど嬉しいことはありません。