ソロキャンプ――それは、誰にも邪魔されずに自然と向き合い、自分だけの時間を持つことができる贅沢な体験です。
けれど、「ひとりきりで大丈夫かな？」「夜になったら寂しくなりそう」「何を準備すれば安心できるんだろう？」そんな不安を抱えて、なかなか一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
実際、キャンプを始めたばかりの方やこれからチャレンジしてみたいと思っている方にとって、「孤独」や「寂しさ」は想像以上に大きな壁になることがあります。特にソロキャンプの場合、それは自然の静けさとともに急に迫ってくるものです。
でも、安心してください。
寂しさは、あなたを癒すきっかけにもなり得るのです。
今回は、防災・アウトドアの専門家の視点から、ソロキャンプで感じる「寂しさ」を自然に、そしてやさしく乗り越える方法を5つご紹介します。また、心を落ち着けるために役立つアイテムも後半で紹介していきます。
「自然の中で一人きり」は、決して孤独ではありません。むしろ、自分の心の声に気づける、かけがえのない時間なのです。
1. まずは「寂しい」と感じることを否定しない
ソロキャンプに限らず、人が「寂しい」と感じるのはごく自然なことです。特に、普段は人と一緒に過ごしている時間が多い方ほど、急に訪れる静けさに戸惑いを覚えるかもしれません。
夜の森、焚き火の音、遠くで鳴くフクロウの声。人の気配がない世界に、自分だけがぽつんといる――そんな感覚に、不安を感じるのは当然です。
でも、それは「異常」ではなく「正常」です。
その感情を抑え込もうとせず、まずは「今、自分は寂しさを感じているんだな」と受け入れてみてください。心が少し軽くなるのを感じるはずです。
2. 「自分と向き合う道具」を持っていく
ソロキャンプで最も豊かな時間は、実は自分自身との対話です。
たとえば、以下のような道具を持っていくと、夜の時間が安心感に包まれたものになります。
- お気に入りの本：短編小説やエッセイなどがおすすめ。風の音を聞きながら読むと、まるで登場人物と静かに語り合っているような気持ちになります。
- キャンプ用のノートや手帳：その日の出来事や思ったことをメモするだけで、気持ちが整理されます。
- 自然を描くスケッチブック：絵が得意でなくても構いません。目に映る景色をそのまま描いてみることで、自然とのつながりを感じられます。
これらは「孤独」を「落ち着き」に変えてくれる、心のサポーターです。
3. 「ゆるくつながる」ことで安心感を得る
完全に一人で閉じこもる必要はありません。最近では、ソロキャンプ中でも他の人と「ゆるくつながる」手段がいくつもあります。
- SNSで写真をシェア：自分のキャンプ風景をアップすることで、「いいね」やコメントを通じて交流が生まれます。
- キャンプ仲間とのグループLINE：リアルタイムで「今これ焼いてるよ」「焚き火最高」などのやり取りができるだけでも、心強いもの。
- アウトドア専用アプリや掲示板：他のキャンパーの投稿を見るだけでも、同じ時間に誰かが自然の中にいるという連帯感が得られます。
4. 小さな「やること」をいくつも作る
寂しさを感じるのは、手が空いてしまったときです。だからこそ、小さな作業をあらかじめ予定に組み込んでおくことが大切です。
- こだわりのコーヒーを淹れてみる
- 自然観察ノートをつけてみる
- 時間をかけて焚き火を育ててみる
体を動かすタスクを少し多めに準備しておくことで、気づけば心が落ち着いているものです。
5. 不安が強いなら「半ソロキャンプ」から始めるのもアリ
いきなり完全なソロは不安…という方は、友人と同じキャンプ場に行きつつ、テントは別に設営してそれぞれ自由に過ごす「半ソロ」がおすすめです。
夜は焚き火を一緒に囲んで、寝るときは一人。これだけでも、「完全に一人じゃない安心感」と「自分だけの自由な時間」がうまく両立できます。
少しずつ、心の準備を整えていくことが何よりも大切です。
ソロキャンプをもっと快適にする「心を整える道具」たち
最後に、初心者でも扱いやすく、ソロキャンプの不安や寂しさを和らげる道具をいくつかご紹介します。
● ポータブルLEDランタン（※暖色がおすすめ）
明るすぎない温かい光は、夜の孤独感を和らげてくれます。焚き火の補助にもなり、防災用としても使えます。
● コンパクトな焚き火台
火を見つめる時間は、何にも代えがたい癒しです。扱いやすく、後片付けも簡単なモデルを選ぶと安心。
● 寝袋とマットのセット（暖かさ・寝心地重視）
夜が不安なのは「寒さ」や「不快さ」から来ることも多いです。あたたかく、身体をしっかり休める寝具があると安心感が段違いです。
最後に：ソロキャンプは「誰よりも自分に優しくなれる時間」
ソロキャンプは、自分を見つめ直す貴重な時間です。寂しさを感じたとしても、それはあなたの心が何かを伝えようとしている証拠。自然の中で、その声に耳を傾けることこそが、本当のアウトドアの魅力なのかもしれません。
そしてその体験は、災害時にも「自分を落ち着かせる力」として、きっと役に立つはずです。
迷っているなら、まずは一歩。あなたに合ったスタイルで、無理のないスタートを切ってみてください。
次は、あなたの心が癒される道具を選びましょう。
